誰にも迷惑をかけたくないし、かけられたくない。穏やかに暮らしていたいだけなのに、人間関係に巻き込まれる。
人は生活する上で、他人や組織との関わりが発生します。その中で、面倒な人に依存されてしまうことがしばしばあります。
依存する人に生活やアイデンティティを侵食され、心を酷く消耗してしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな様々な人間関係における「依存する人、される人」について、心を消耗する前に知っておいてほしい6つのことをご紹介します。
1、依存される人の特徴
「私はよく変な人に依存されてしまう」と、何度も依存の被害者になる人も多いのではないでしょうか。
実は依存される人には特徴があり、依存する人はそういう特徴のある人を無意識に狙っています。
優しい人(断れない人)
気遣いができる人
言葉遣いや態度が優しい人
外見が弱そうな人(女性や子供、太っている人など)
心の弱さに(一度でも)共感してくれる人
世話好きな人
聞き上手な人
強いコンプレックスを持っている人
自己肯定感の低い人
立場の弱い人(店員、後輩、新入社員など)
憧れの対象になる人(有名人、友達が多い人など)
依存ポイントが少ない人(友達が少ない、趣味が少ないなど)
依存される経験が多い人は、本人も知らないうちに上記のような条件を提示してしまっており、依存先を探している重度依存者の餌食になることがあります。
もちろん、これらの条件のうち、ひとつでも当てはまっていて、運悪く捕まってしまう場合もあれば、ほとんどの条件に当てはまるのに捕まらない場合もあり、それは環境によります。
また、上記の条件が「悪いこと」なのではなく、人として誠心誠意対応している結果そうなってしまっている場合もあるため、上記はあくまでヒントとして参考にしてください。
2、依存は悪いことなの?
重度に依存されてしまうと大変な目に合うのですが、ではそもそも依存は悪いことなのでしょうか。
結論から言うと「依存そのものは悪くない」です。
これはお薬の分量と同じように「少量なら薬、多量だと毒」と捉えるとイメージしやすいでしょう。
何事も、一定の分量を超えると毒になってしまうため、依存の場合は「依存度」が高すぎると迷惑になる、という考え方です。
そのため、依存してもいいのですが、ひとりの友達だけに依存するのではなく、たくさんの人に依存するとか、ひとつの組織に依存するのではなく、複数の組織に依存するなど、依存先を分散させることが「上手に依存しながら生きていく」ということになります。
3、その「甘え」も依存かも?
そもそも「人が人に依存する」とはどのような状況なのでしょうか。
たとえば、職場の同僚が、休憩時間になると必ずどこにでもついてくる。
まるでストーカーのようだし、自分以外の人間とは喋ろうともしない。
自分にはにこにこしているが、ほかの人にはニコリともしない。
しかも一方的にしゃべってくるが、こちらの話はあまり聞いてくれない。
…このようなパターンがあります。
実際に迷惑だし、職場の人間関係にも影響が出そうで、雰囲気も良くないですよね。
別のパターンで言うと、自分が働いている携帯電話ショップで、毎日やってくる客がいる。
用もないのに、無理やり話題を探して窓口にやってきては自分を指名して対応させる。
知ってる機能についても繰り返し説明させようとし、無駄話もするため、長時間居座って困っている。
このような「店員に依存する客」というのも該当します。
このように「誰かに依存して迷惑をかける人」がいるのは事実です。
しかし、他人に依存したことがない人間はいません。
赤ん坊として生まれてきて、最初に依存するのが親(もしくは育ててくれる大人)です。
そこから家族と関わり、友達と関わったりしながら社会に出て依存先を広げていくことが「自立」と言われます。
では、すでに成人した大人(自立したはずの)が依存するということはどういうことなのでしょうか。
重度依存に傾倒する原因は様々ありますが、ひとつ言えることは「相手を自分と同等の人間として見ていない」ということです。
つまり、相手に対して同じ人間としての敬意がある場合、本来なら深く(迷惑をかけるほどの)依存はできないはずなのです。
なぜなら、相手にも生活があり、今まで培ってきた経験があり、これから向かう目標があるので、その邪魔は誰もしてはならないはずです。
相手を、まるで親(自分の世話をしてくれる人)として認定し、頭の片隅で「この人には迷惑をかけて大丈夫だから迷惑をかけよう」という「甘え」があります。
お店などでよく店員に「お客様は神様だろ?」などと偉そうな態度をとる客がいますが、冷静に考えれば、金銭に見合ったサービスを提供するのが店側の役割で、店員は人権を失って奴隷になったわけではありません。
このように、重度依存する側には相手に対しても「甘え」があり、相手の人権を無視して「奴隷のように扱っている」ということが言えます。
4、依存された体験からわかったこと
私自身も、過去何度も依存された経験があります。
世話好きであったり、見た目が優しそうであったり、その都度原因は様々だったとは思いますが、それらの経験から学んだことがいくつかあります。
依存された体験からわかったことを以下に箇条書きでご紹介します。
依存する人は私を見ていない。私個人ではなく、私を通して理想の誰かを見ている。そのため、私個人の考えを発信すると否定されることが多い。「理想の人はそんなことは言わない」という思い込みがある。
「あなたは世話をしてくれる人」という身勝手な認定。お世話係のような役割。物腰は柔らかくても高圧的で傲慢。彼らにとっては「世話をさせてあげている」「裏切られては困る」という根拠のない信頼。
報酬の欠如。彼らは世話好きの人は「無報酬で、世話をすることに生きがいを感じている」という根拠のない思い込みがあり、またあらゆる面で勝っている(余裕がある?)ので報酬は受け取らない人、と考えている。そのため、奴隷のように使い古して捨てても構わないと思っている。
依存とハラスメントは似ている。相手を人間として見ていない点では同じ。友達かのように近寄ってくるが、じわじわと相手を消耗させるハラスメントである。
ここから理解できたことは、
依存する人は「自分は周囲より劣っている」と思っている。
依存先の相手のことを「自分より優っている」と思っている。
優っている人は劣っている人を手助けするのが当たり前、という認識。
依存先の相手を無意識に奴隷のように認識している。
依存先の相手の自我や人権には無関心。
依存先の相手が離れないかどうかだけが心配。
依存先の相手の心が消耗しても、どうでもいいと思っている。
言葉や態度には出さなくても「人を都合よく利用する」感覚がある。
自分が消費対象になることは極端に嫌がる。損したくない。
重度依存者は、依存したいとも考えるが、依存されたいとも考える。
依存とハラスメントは似ている。
このように、重度依存する人は、一皮むけば身勝手な願望の押し付けを日常的に行っており、自分のことしか考えていない場合が多く、非常に自己中心的です。
一見するとまともな人でも、会話していると「なんか変だな」と思ったり、さらに関係を深めていくと「おかしいぞ」となったり、初見では判断しにくいケースも多く、見分けるのは難しいとされています。
重度依存の人自身が無自覚であることもポイントで、彼らにとってそれらの身勝手なふるまいは「当たり前のこと」であり、「そういうのは嫌なのでやめてほしい」と申告しても「なぜ嫌なのか理解できない」という事例も多いです。
立場が平等にも関わらず、高圧的な態度を感じたり、傲慢な態度や、自己中心的な提案、また私生活への関与がある場合は警戒して接するといいでしょう。
5、こんな人は「依存する人」かもしれない
依存されやすい人は、今後依存されたくないので、予め予防線を引いておきたいと考えるのではないでしょうか。
依存する人は、先に予見しておいて、なるべく関わらないようにしたいはずです。
そこで、関わっていくと依存する人になるかもしれない可能性がある人の特徴をご紹介します。
■知り合って間もないのに距離感が近すぎる
まず注意しなければならないのが、距離感のおかしい人です。
知り合って間もないのにべたべた体に触ってきたり、失礼なことを言う人は警戒しましょう。
これは最初の段階で「このくらいしても許してくれるか」を試している可能性があります。
しっかり断ったり、距離を置いたり「そういうのやめてもらえますか?」と態度で示しましょう。
■自分の話は聞いてほしいが他人の話には興味がない
これも「甘え」であり「依存」の一種です。
そもそも重度依存の人は、他人には興味がなく、自分のことしか考えていないので、このような態度が見えたら警戒しましょう。
クレーマータイプの人もこのような態度をとります。
また、ひどいケースだと、何も言っていないのに「私のこと親友だって言ったじゃない」などと、妄想の入り混じった解釈を勝手にしているパターンもあります。
■不機嫌を隠さない
重度依存の人は、たとえば自分のターゲットにしている人物がほかの人と仲良くしているのを見ると明らかに不機嫌になります。
時に怒り出すケースもあり、そこには「自分の所有物なのに、なぜ他人に貸してあげなければいけないの?」という身勝手な考えがあります。
また、不機嫌な態度を示すことによって相手を不安にさせ、コントロールしようとする意図もあります。
気に入らない話題だと無言になったり、自分の意にそぐわない意見に対しては鼻で笑うなど、感情を全面に出して不機嫌で周囲の人をコントロールしている素振りが見えたら大変危険です。
■明らかに人によって態度を変えている
どんな人にも平等に対応する、というのは難しいものですが、重度依存する傾向のある人はわかりやすく態度を変える、という特徴があります。
これは「あなたは私のターゲット、あっちの人はターゲットではない」という意思表示でもあるし、また無意識下でのランク付け(彼らはカースト制を重視する傾向がある)の表れでもあります。
自分より上である、下である、もしくはカテゴリーが違うから関わりたくないグループ、などといったランキングやカテゴライズ(あくまで自分の中で勝手に想像したもの)を基準にしているため、人に対しての線引きがはっきりしています。
わかりやすい例で言えば、中年男性が同じような年ごろの中年男性には敬語なのに対し、年下の女性には命令口調や罵倒したりする、と言ったようなことです。
6、依存より消耗を避けよう
依存されやすい人の特徴から見るに、これに該当する人は一般的に良い人で、親切で誠実な人です。
依存されやすい人は、親切にしてあげたにも関わらず、恩を仇で返されるような経験をしたのではないでしょうか。
しかし、世の中には依存体質の人がたくさんいて、完全に避けるのは難しいでしょう。
疑いはじめてしまうとどんな人も疑わしく思えてしまって、人と出会うのが嫌になってしまいます。
そのため、依存されることを避けるより、依存されたとしても心を消耗しないように努力した方が効果があります。
プライベートは死守する
重度依存の人は、相手のプライベートを必死に探ってくることがあります。
SNSを随時チェックしたり、仕事や学校の関わり以外でも、休日に会うことを求めたりします。
まずはSNSのアカウントは明かさないことや、休日は用事があるから会えない、ときっぱりお断りしましょう。
親切にする人は選ぶ
誰にでも親切に接したい、という人がいます。
奉仕の心がある心優しい人ではありますが、たとえば道端で募金箱があって、そこに募金したら実は悪い団体の資金源だった、なんてことになったら?
つまり、奉仕の心は大変立派ですが、やはり奉仕する相手は選ばなければならない、ということです。
どの募金箱に募金するかは自分で選ぶことができるのですから、誰彼構わずすべての人に奉仕するのではなく、どんな人に奉仕するか、しっかり選びましょう。
自分も依存先を増やす
重度依存の人は、時間や心に余裕がありそうな人に寄ってきます。
なぜなら、忙しい人や慌ただしい人は、かまってくれない可能性があるからです。
そのため、ある程度忙しそうにしている方が、重度依存の人は寄ってきませんし、もし寄ってきたとしても「忙しいんで」ときっぱり断ることができます。
忙しくするためには、依存先を増やすことが重要です。
一緒に遊ぶ友達が多い、趣味が多い、通わなければいけない教室が多いなど、あちこちせわしなく動き回っていると気分も良いですし、自分の中のバランスも取りやすくなります。
忙しすぎてわけがわからない、という状況まで自分を追い詰めることはあまりおすすめしませんが、依存先を増やし、少しずつ依存することで心の隙間がなくなり、重度依存の人も離れていきます。
心を消耗している、と気づいたら…
人は「気遣い」や「心配り」というように、何か行動する時には気持ちや心を消耗します。
気力ゲージには限界があって、使い切ってしまえばゼロになります。
そんな大事な自分の心を、自己中心的な人のためにすり減らしていいものでしょうか。
答えは「NO」です。
私たちに与えられた心は、まず自分のために使わなければなりません。
あなたの心を消費して、都合よく使い倒して、使えなくなったら捨ててやろう、などという考えの人には1ミリも使用してはならないものです。
是非、重度に依存して、あなたの心を消耗するような人がいたら離れてください。
あなたを大切に扱わない人は、人間ではありません。
自分の心を一番に大切にしましょう。
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